世界に誇れる!日本のおすすめインストバンド3つ紹介
toe
日本のポストロックの王者とも言えるバンドです。
うねり絡み合うギターとベース、複雑かつ個性的なドラム、幻想的でエモーショナルなサウンドは、他のインストバンドを圧倒。
その演奏力はライブの質でもわかる。見事な高揚感を作り上げるライブパフォーマンスには、空気をも音楽に変えてしまう不思議な魅力があります。
「孤独の発明」は、彼らの楽曲の中でも特に高い人気を誇る曲。YouTubeには世界各国からカバー動画があげられています。
しっとりとした溶け込むような音色が特徴。聴く方もとろけてしまうような気持よさです。
注目してほしいのは1:12~。ドラムがいったん止んだと思ったら、間髪入れずに再びカウントしてから入るとこ。息を飲む美しさ。
曲の途中で、それもテンポが変わるわけではなく、カウントをフレーズとして使うというアイデアも素晴らしいと思います。
toeは一応インスト曲が中心ですが、ボーカルの入る曲もたまにあります。例えば「グッドバイ」。
ポストロック界でのtoeの地位を不動のものにした、toeの代表曲であり、toeを語る上で避けては通れない曲でもあります。
ガラス細工のような繊細さと透明感、そしてじわじわと盛り上がるときの、蝶のように舞い上がるような、でもちゃんと地面に根を張ったような、力強い高揚感。
もうなんというか...あれだ。CD買えよ。
そしてこのtoeは、アジアツアー、EUツアー、USツアーと、世界中でライブを行っています。
そう、「世界に誇れる...」という記事タイトルは、釣りや誇張なんかじゃない。まさに世界に誇れるバンドなのです。
というかむしろ、音楽番組がアイドルとジャニーズで埋め尽くされている日本よりも、音楽に対する理解と情熱の高い海外の方が人気があるといっても過言ではないでしょう。
SAKEROCK
「もっと早く知りたかった」の声多数。残念ながら解散されてしまいましたが、今でも多くのファンが生まれ続けるバンドです。
星野源がメンバーだったことで知られています。星野源の原点にあるのがこのSAKEROCKというバンド。
マリンバやらトロンボーンやら、楽器と言えるのか分からない口笛やら、もう名前すら知らないどこかの民族楽器やら、とにかく多彩なサウンドが特徴。
まずはライブ映像を見てほしい。
序盤は陽気な雰囲気で始まる。雲みたいにのほほんとした音楽。なんだこれ酒飲んだのか酔っ払ってんのか?とツッコミたくなる陽気さ。
2:03~は、その陽気さと一転して静けさと哀愁が漂う。それでも出てくる感想はやっぱり「酔ってんのか?眠っちゃうのか?」だ。
そして3:02~、思い出したかのようにちゃらんぽらんになる。ドラムとコンガの軽快なリズムから入るのもまた楽しすぎる。
そこから盛り上がりは最高潮へ。テンポは速くなる。みんな遊び始める。アドリブソロも入る。
お前らめちゃくちゃだよ!!最高だな!!って感じがしません?
SAKEROCKはこんなバンドだ。悪ふざけバンドなのだ。
それも体育会系の「お前ら巻きこんじゃうぜー!ww一緒に暴れようやー!ww」なんていう悪ふざけではない。どちらかというと体育会系の絡みにうんざりした文化系の、「俺ら勝手に好きなようにやっとくから!!」みたいなふざけ方だ。
テンポが速くなれば楽しい、フレーズいじりだしたら楽しい、アドリブでソロやったら楽しい、という純粋な子供のように楽しさを追及する姿勢もいい。
反抗期の男の子みたいな、愛嬌すら出てくる悪ふざけ。いいじゃないか。楽しいじゃないか!
これは「ホニャララ」という曲の、公式MV。
どうでしょう。あまりにも狂ってはいないだろうか。電気グルーヴ的な狂気を感じる。
言いたいことはたくさんあるが、そもそも音楽がおかしい。メンバーの頭の中に溢れ続ける「パッパラパー」を、そのまま楽譜に書き起こしたよう。
そして映像。最初によく分からないテレビ映像っぽいのを流した理由は誰にもわからない。そこから例のホニャララが始まる。もうやりたい放題である。
何よりも頭がおかしいのは、これがSPACE SHOWER Music Video Awardsの「BEST CONCEPTUAL VIDEO賞」を受賞したこと。恐怖のMVに毒されて審査員の目が腐ったとしか言いようがない。
…他のバンドに比べて、なんとも口汚い言葉でSAKEROCKを表現してしまいました。
綺麗な言葉は使っていないものの、「悪ふざけバンド」も「狂ってる」も全て褒め言葉です。
何だかんだ言ってますが、SAKEROCK大好きです。
PHONO TONES
メンバー紹介から入ります。
ベースの猪股ヨウスケ、ドラムの伊地知潔、キーボードの飯塚純、ペダルスティールの宮下広輔。
もう一度言いましょう、ペダルスティールの宮下広輔。
ペダルスティール、です。
ペダルスティールという楽器をご存じでしょうか。僕はこのバンドで初めて知りました。
メンバーにギターが居なくて、代わりにこのペダルスティールという異色の楽器を持ち込んでくるあたり、かなりぶっ飛んでいると言えます。なんて思い切った発想なのだろう。
そんな珍しいバンド編成も、このバンドの魅力のひとつです。
曲紹介に入ります。PHONO TONESの代表曲、「tobira」。
非常にプレーンで頭にすっと入ってくるような音楽ですね。
ベースとドラムの基盤に乗っかる、キーボードとペダルスティールの掛け合い。この掛け合いがそれはもう素晴らしい。互いがメロディーに互いがサブメロディーになり、流れ星のように一直線に流れていく。
互いに切磋琢磨してきた、ライバルどうしの少年のようです。
そして何よりも強調して書いておきたいのが、ドラムス伊地知潔。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのドラマーでもある伊地知潔。学生時代にマーチングで鍛えたスティックコントロールと、それを生かした高い演奏技術ももちろんだが、何よりも称賛すべきは彼の演奏スタイル。
決してメロディーの邪魔をしない。いい意味で耳に残らない、淡泊なビート。金物類の扱いも天下一品。
音楽の地盤のようなものを、完全にドラムにゆだねられる。どれだけ重さをかけても沈まない、どれだけ暴れても崩れない、ゆるぎなき地盤です。
何を隠そう、僕はASIAN KUNG-FU GENERATIONことアジカンの大ファンなのです。そのアジカン愛の半分は伊地知に捧げているつもりです。
ともかく、伊地知潔は凄いドラマーなのです。
「Her Red Bicycle」。彼女の赤い自転車。素朴で普遍的なタイトルが素敵。
「tobira」のスタイリッシュさとは打って変わって、随分とキュートな音楽です。
何でもない日常と、そこから生まれる、小さいけれどかけがえのない恋心。その恋心の愛しさを存分に味わえる。
歌詞がなくとも愛を語ることはできるのだ!
この曲はキーボードがメロディーで、ペダルスティールは伴奏やサビメロディーを担当しています。
そのキーボードの音色の可愛らしさが、なんとも言えない愛くるしさを持つ。音が高く丸く、「クォーン」という鳴りが、恋をしたときのキュンキュンを連想させます。
アップテンポで、ビートの刻み方がころっと変わるのも、恋をした人のころころと変化しやすい心情が現れているような気がしてお気に入りです。
そして映像も可愛らしい。陳腐なストーリーに親近感すら感じる。
...ベタ褒めしすぎでしょうか。
一度いいところを見つけると、どれもこれもがいいところに見えてくるのが僕の悪い癖です。
インストに精通しているわけでもないのに、自分の知っている範囲だけでベスト3を決めてしまいました。
他に良さげなインストバンドを見つけたら、また記事にしていこうと思います。
おしまい。
近所のコンビニでジョン・レノンに会った話
これは、小腹が空いた僕が軽食でも買おうかと、コンビニに行ったときの話です。
僕はコンビニに入ると、即行でサンドイッチが並べられている棚に向かいます。
そう、僕は三度の飯よりサンドイッチが好きなのです。サンドだけに。
ちなみにツナサンドが一番好き。
そんな僕の前から、こちらに向かって歩いてくる一人の男がいました。
ふつうの人ならばわかっているでしょうが、他人の顔はじろじろ見ないのがマナーというやつです。もちろん僕だってそれくらいのマナーはわきまえている。
つまり僕と彼は、顔を見合うこともなく、ごく普通にすれ違った。はずだった。
すれ違った直後、僕はぎょっとして後ろを振り返ってしまった。
彼の顔は、ジョン・レノンそっくりだった。
僕は無類の音楽好きです。もっぱら邦楽専門なので洋楽には疎いですが、ビートルズくらいは聞いたことがあります。
ピチピチの若造である僕とビートルズはなかなか結びつかないでしょうが、母親がビートルズのCDをよく聞いていました。その影響で僕も自然とビートルズを好きになったのです。
そして、そのビートルズのメンバーであるジョン・レノンのCDも、ビートルズに負けないくらい好きなのです。
さて、話を戻そう。ぎょっとして振り返った僕は、失礼ながら彼の後ろ姿をまじまじと眺めました。
そして彼が商品棚の角を曲がる瞬間、僕には彼の横顔をちらっとであるが見ることができました。
大きな丸眼鏡、くねりと曲がった長い髪、優しそうな目元に髯を蓄えた口元、太く平行な眉毛。
それはジョン・レノンに瓜二つであった...
それから僕は商品選びどころではなくなりました。
もう一度、今度はちらっなどではなく、彼の顔を間近でじっくりと見たくなったのです。
彼がいつ会計を済ませコンビニを出るかわからない。もしかすると何も買わずに出ていくかもしれない。
そしてそんなことを考えているときに限ってトイレに行きたくなる。どうしようか。何か別のことを考えて気を間際らせようか。そういえばあのジョン・レノンもう〇こをするのだろうか。もしそうだとしたら軽くショックだなぁ。
とそのとき。僕はジョン・レノン、いやジョン・レノンそっくりの彼が商品を持ってレジに向かうのを横目で見た。
急がねば。ここを逃すともう一生見ることができないかもしれない。
何も考えずに目についたサンドイッチを掴みとり、僕は彼のすぐ後ろにつきました。隣のレジの方が早そうだったのにも関わらず。我ながらかなりの阿呆です。
レジの店員はどんな反応をするのだろう。ちょっと楽しみにしていましたが、レジのお姉さんは何も気付かずに普通に対応をしました。
彼は缶コーヒー、おにぎり2つ、バイクかなにかの雑誌、それにレジでタバコを頼んでいた。もちろん他人の商品をじろじろと見ることもマナー違反です。皆さん気を付けてほしい。
ここで驚いたのが、タバコを買うときに聞いた彼の声、というかその言葉。
「ホープください」
日本語だった。そう、僕は彼のあまりにも美しい顔に見惚れ、てっきり彼を外国人だと勘違いしていたのです。
僕は動揺した。日本人と外国人がこんなにも似るものなのだろうか。後で冷静に考えてみると、日本語の超上手な外国人か、もしくはハーフだったのかもしれない。
そんな僕とは裏腹に冷静で的確かつスピーディな対応をしたレジのお姉さん。お姉さんの「ありがとうございました~」の声とともに彼は去っていった。
最後に間近で見た彼の横顔は、まさに日本人の素晴らしい対応に満足げな、ジョン・レノンそのものだった。
思わぬビッグスター(のそっくりさん)を目撃した僕も、満足気な表情でその場をあとにしました。
コンビニを出ると、コンビニ前でたむろしていた女子高生の会話が耳に入ってきた。
「今の人、平井ファラオに似てなかった?ww」
うん、まぁ、似てなくはないけども。
左利き・オープンハンドのドラマーまとめ
Ian Paice (イアン・ペイス)
左利き、左用セット
ディープ・パープルのドラマー。普通のセットではなく左右を逆にセッティングしてある左用セットで叩いているのがわかります。
イアン・ペイスの得意技がこの高速シングルストロークですね。粒のきめ細かさは天下一品。
ディープ・パープルの代表曲『BURN』でも、曲の合間合間に高速シングルストロークが炸裂。これぞイアン・ペイスです。
Ringo Starr (リンゴ・スター)
左利き、右用セット、クロスハンド
言うまでもない。言わずと知れたビートルズのドラマーです。
(フロントマンが目立ちすぎてドラムが多く映っている動画が見つからない...)
右利きドラマーと同じ要領で叩いていますが、実は左利き。左利きドラマーだからこそ、右利きの人には思いつかないようなビートルズ独特のフレーズが生まれたのでしょう。
ちなみにポール・マッカートニーも左利きです。左利きはミュージシャン向きなのだろうか...
Simon Phillips (サイモン・フィリップス)
(おそらく)左利き、右用セット、オープンハンド
途中加入したTOTOのドラマーとして一躍有名になりました。日本では上原ひろみとの活動で知られています。
オープンハンドなのは一目瞭然なんだけども...いかんせん利き手がどっちなのか分からない。一生懸命探したんですが、一向に情報が見つからない。
何故だ。みんな興味ないのか。サイモンだぞサイモン。
右利きでオープンハンドを使う人は珍しいし、おそらく左利き...ということにしておきます。信じるか信じないかは、あなた次第。
高い技術力と独特のドラミングが演奏の特徴。巨大タムが並べられた個性的なセッティングも気になるところですが、こちらも情報が乏しいのが残念。
刄田綴色
左利き、右用セット、オープンハンド
(演奏は6:28~)著作権の関係で音源が無く、ドラムパートのみになるが、僕のせいではない。
東京事変のメンバーとして活躍したドラマーです。現在はRADWIMPSのサポートドラムなども行っています。
セッティングが左利きドラマーらしいのがおもしろい。オープンハンドなので、ライドシンバルは左手側に置き、更にハイハットの横にフロアタムをもうひとつ。左手側にたくさん置いてるセットですね。
ゴーストノートをまんべんなく散りばめた演奏で、ロックバンドとしては比較的手数の多いドラマー。「群青日和」の青年らしく巧みな演奏が個人的にお気に入り。
もう一曲挙げるとするならば「キラーチューン」。
元吹奏楽らしさが前面に出ています。吹奏楽のド定番「シング・シング・シング」の影響を受けたであろうフレーズです。
そうる透
左利き、右用セット、クロスハンド
大量のタムとシンバル類を使いこなす優しそうなおじさん。
リンゴ・スターと同じく左利きで、セットやフォームはスタンダードな右利き用に合わせています。
一応クロスハンドがメインっぽいですが、場合によってはオープンハンドも使う。オールマイティーなドラマーですね。
音の綺麗さ丁寧さ、音色のバリエーション、手数の多さが超一流。どのジャンルもあっさりと叩きこなし、多数のミュージシャンの収録、サポートに参加してきました。
また、この人は若手ドラマーの育成にも熱心な人です。クリニックや教則DVDの販売も行っているので、気になる方はチェックしてみてください。
茂木欣一
右利き、右用セット、オープンハンド
東京スカパラのドラマー、兼ボーカリスト。愛称は「欣ちゃん」。
この人はちょっと変わった人で....なんと右利きなのに、クロスして叩くということを知らずにオープンハンドで練習を続けてきたそう。
フォームやフレーズも変わってて、スネアとバスドラを一緒に鳴らしてみたり、スティックを押し付けてみたり...
セッティングは刄田綴色と同じく、シンバル類を左手側に多く置いていますね。
おまけ・左利きドラマーはいろいろと大変
セッティングを考え直す必要がある、演奏スタイルを変える必要がある、そして参考になる人が少なすぎる。
いろいろと不便というか、面倒なことが多いのが、左利きドラマーの運命です。
ただ、右利きで凝ったセッティングが好きな僕にとっては、ちょっと羨ましかったりします。
セッティングやフレーズを考えるとき、ちょっと変わったことができて楽しそうなんですもん。憧れてしまいます。
それと、たまに「右利きと左利きではどっちが有利?」なんて話が出ることがありますが、どちらが有利だとか不利だとかいう話はないです。
ないです...ない...ないと思います....(ビートルズに左利きが多いのはきっと気のせい...)
まぁ、左手はハンデだったとしても、プロになれる人はそんなハンデ軽々と超えてしまいそうですね。
今回はこのくらいでおしまい。
ショートショートの神様、星新一のおすすめ本まとめ
本名は星 親一。1926年9月6日産まれ、1997年12月30日没。
父は星薬科大学の創立者で星製薬の創業者の星一。森鴎外は母方の大伯父にあたるんだとか。
裕福でなんともエリートな家庭に産まれたようです。羨ましい。
そんな生まれ育った環境も凄いですが、星新一の本当の凄さを知るのはその創作活動を見てから。
ショートショートを書く天才
まず特筆すべきなのが、その簡素な文章。
星新一の作品は短編集が多いです。正確に言うと、ショートショート(掌編小説)という、要するに超短い作品が多い。
そしてそんな短い話の中で見事なストーリーを作れるのが、『ショートショートの神様』の異名を持つ、星新一です。
自然な導入から入って、着々と物語が進み、それでいて最後には読者をアッと言わせる力がある。
序盤でオチを考えながら読み進めていき、そんなに複雑でもないむしろ超シンプルなはずの展開を通るのに、オチを言い当てることができない。それが快感に感じる。
純粋な「噺」としてのおもしろさがある。落語のように、話とそのオチのおもしろさだけで勝負してくるのです。
また、作品のひとつひとつが短いということは、初心者にも読みやすい、空いた時間にさくっと読めるという良さがあります。
星新一の話は非常に簡潔です。初心者が嫌うような、変に凝った情景描写がいっさい無い。理知的な人柄が現れていますね。
どんな人にもオススメしやすい作家です。
おすすめ本の紹介
小学生で星新一にハマり、その状態をキープして今でもハマり続けている僕。
今回はそんな星新一信者の僕がおすすめする本を何冊か紹介します。
ポイントは、
- 初心者でも読める
- 時間が無くても読める
- 子供でも大人でも読める
ということです。なんという読みやすさだろう。
注意してほしいのは、
- 文学的で緻密な情景描写は無い
- みっちりと読み応えのある話は無い
ということですかね。そういう本を期待している人はブラウザバック。
ロボット発明の傑作集
おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。
なんでもできるロボットを連れて離れ島の別荘に出かけたお金持ちのエヌ氏。だがロボットはしだいにおかしな行動を…。
博士の不思議な発明、発見が様様な騒動を巻き起こす。傑作ショートショート集。
僕が星新一に出会ったのが小学校5年生の頃。幼い僕の心を射抜いた本がこの「きまぐれロボット」です。
小学校の図書室というものは、図書の先生とPTAによってなんとなく決められたちんまりとした本が集まっていますが、その中でこの本は異彩を放っていた。
なんというか、話の短さや小ささに対して、「しょうもない」ではなく「スタイリッシュだ」という感想が出てくる、そんな感じでした。
もちろん児童向けのものはしょうもない、というわけではない。児童書は児童書なりに素晴らしいものばかりだし、子供に愛してもらえればそれは名作と言えるでしょう。
ただあれだ。その辺の児童書はどうしても「小学生に読みやすいよう意識しました」感を拭えないでしょう?
星新一はそうじゃない。話や語彙のレベルを下げた読みやすさじゃなくて、ただ簡潔にまとめられた読みやすさなのだ。読みやすさの種類が違う。
小学生はこの本を読むだけで「みんなとは違うもの読んでる感」を得られます。あら素敵。
児童のための読みやすさとは別の世界にあるこの本、子供はもちろん、大人でも絶対に楽しめるはずです。
風刺をまんべんなくまき散らした代表作
スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群!!日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。
表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
星新一といえばこの「ボッコちゃん」です。代表作も代表作、おそらく星新一の本の中で、最も人気のある本だと思います。
作者自身が厳選した、選びすぐりの50作。おもしろくないはずがない。
この本には、至る所に星新一の社会風刺がきいています。ブラックユーモアの好きな人には大好物。
ブラックユーモアといっても、人間がボコボコにされるような不穏で物騒な話ではありません。人間の欲とかだらしのないところを、ちょっぴり突っついたような、ささやかな社会風刺です。
だからこそこの風刺に傷つくこともないし、むしろその人間のだらしなさを困り顔で見守っていられるような、そんな感覚になってしまうのです。
引用のあらすじにもありますが、「ちょっぴりスリリング」というのがミソ。
語り口はあっさり淡々としているのだけれど、そこにあるちょっとしたスパイスの虜になることは間違いなし。
5分で読める話が50作もある。暇潰しにもぴったり。忙しい社会人でも夢中になれるでしょう。
寓話に加わる「星新一」というスパイス
『アリとキリギリス』『ウサギとカメ』など、誰でもごぞんじの寓話の世界。
語りつがれてきた寓話も、星新一の手にかかると、ビックリ驚く大革命。
時代が変れば話も変るとはいえ、古典的な物語をこんなふうに改作してしまっていいものかどうか、ちょっぴり気になりますが―。表題作など、愉しい笑いと痛烈な風刺で別世界へご案内するショート・ショート33編。
またスパイスという言葉を使ってしまった。
同じ単語を立て続けに使うのはあまり歓迎されないことなのですが、仕方ない。星新一のクセになる辛さは「スパイス」だとしか言いようがない。
星新一の中でも一風変わった短編集。その名の通り、イソップ等の寓話をアレンジした作品が多いです。
内容としては、笑ってしまうくらいしょうもない。まさに子供がイソップというおもちゃに飽きて、イソップを勝手に捻って遊び始めた、そんな感じです。
ただ、やはりその「しょうもなさ」はおもしろさと紙一重。我が子の話にいつも親が笑わされ感心されるように、小さなアレンジが大きな楽しさを生み出しています。
そして、その子供のような着眼点がまた素晴らしすぎる。
アレンジを加える箇所がまた星新一らしいというか、イソップではNGとされるようなブラックが盛りだくさんです。
「本当は駄目だけど、小説の中だしねw」と言わせちゃうような痛快な悪さ。ちょっとくらいワルの方が人気のあった学生時代を彷彿とさせる。これぞ子供の頃の僕たちが本当に望んでいた寓話だと言えるでしょう。
因果応報のむず痒さを吹き飛ばす。教師や親にさんざん聞かされたイソップの教訓に反乱を起こす。これはイソップ界のテロだ。
33話じゃ物足りない。もっと読ませろ!
・・・ワルな感じをもっと味わいたければ、「悪魔のいる天国」もおすすめ。
ブラックな話が多めの、全36話が収録されています。
あとがき
以上。もう少し紹介したかったですが、僕の語彙力では似たような説明になってしまいそうなので、ここでお終いにします。
そうなのです。星新一はいつも同じスタイルで大量の作品を生み出す。なぜこんなにも多様性豊かな話を書きあげられるのか不思議でたまらない。
ホームランしか打てないバッターに実況者が困ってしまうように、僕も星新一のおもしろさを説明するのに困ってしまうのです。
おしまい。
初心者に贈るフットペダルの選び方~種類とおすすめ
前置き
ドラム機材について書くブロガーはたくさんいます。
スティックレビューや練習パッド紹介が主で、その次にスネアドラムが多くて、あと自宅でも比較的使いやすい小口径ドラムセットの紹介もちらほら見かける。
そんな中、なぜか需要の割に記事が少ないものがあることに気付いた。
そう、フットペダルです。
ドラマーの体に近い部分にも関わらず、なぜかさほど関心を持たれない。
他のパーツよりも小さいし、なんか目立ってないし、いつも踏んづけられているし、地味な感じもします。が、
彼こそが縁の下の力持ち。みんなもうちょっと関心を持つべきでしょう。
というわけで今回は、僕おすすめのフットペダルを紹介します。
それでは、はりきって!
目次
フットペダルとは?種類と違い
シングルペダル or ツインペダル
これがペダル選びの第一歩。シングルとツインでは、見た目的にも、機能的にも、大きな違いがあります。
シングルペダルはよく見るこれ。右足でペダルを踏み、左足は常にハイハットを踏みます。ペダルは右足の分しかないので、シングル。
こっちがスタンダードですね。ロックからポップ、ジャズと、どのジャンルでも使われる、デフォルトの形です。
超人ドラマー、ジョジョ・メイヤーも、シングルペダルを使用しています。
それに対してツインペダルは、左足でもバスドラを踏めるようになっています。ペダルが2つあるからツイン、というわけですね。
ツインペダルは両足でドコドコと、バスドラの連打ができます。迫力ある重低音をマシンガンのように繰り広げられるため、ロックやメタルなど、激しい音楽に使われることが多いです。
X JAPANのYOSHIKIや、ONE OK ROCKのTomoyaなどが使用しています。
ビーターの種類とサウンド
ビーターとは、ペダルを踏みこんでから、実際にヘッド(皮)に当たる部分。
素材
よく使われるものとして、フェルト製、プラスチック製、ウッド製があります。
フェルト製はどちらかというと柔らかくぼんやりした音が、プラスチック製やウッド製ははっきりとした音が出ます。
形
全体が丸い球のもの、四角く平たいもの、丸く平たい半球のもの....いろいろありますが
丸いものは音がぼやけ、平たいものは音がはっきりと出る。基本はそれぐらいですね。
丸いものはどんなジャンルにも使われ、平たいものはロックやメタルに使われることが多いです。
迷ったら丸いものを選ぶのが無難。
その他
以上で紹介したとおり、ビーターのサウンドは主に 素材 × 形 で決まるわけですが...最近ではもういろいろ多様化しすぎて、紹介するだけでも日が暮れてしまう。
それに僕はビーター専門家でもないので、ささやかな基礎知識しか教えられない。
と、いうわけで。
簡単かつ劇的にバスドラムの音を変える方法 | Musible
ビーターの音色聞き比べ動画 | 【動画解説】ドラムの練習法や上達法を基礎から丁寧に
他力本願。もっと詳しく知りたい!という方は、ぜひ訪れてみてください。
ビーターについていろいろと書かれています。
初心者におすすめのフットペダル
フットペダルの最新にして最高峰 DW 9000XF
世界中から圧倒的な支持を得る、DWの最新シリーズ。踏み心地も軽く、初心者にも扱いやすいです。
カスタマイズもしやすく作られており、幅広いジャンルに対応。
フットボード(足で踏む部分)が長めに作られているXFが、個人的に使い易いと思います。
プロドラマーもベタ褒め。たくさんの人に愛されているペダルですね。
DWはフットペダル開発に力を入れているメーカーです。その代わりというか、ドラムセットの方はあんまり話を聞かないですが。
フットペダル一筋のブランドがDW、というイメージがあります。
同シリーズのツインペダルがこちら。
値段が高くて手が届かない...という方は、下位の5000シリーズがおすすめです。
【ポイント2倍】【送料込】dw 5000TD4 ペダル | 20,099円 (2017/04/29現在)
▽ツインペダルはこちら▽
【ポイント2倍】【送料無料】dw 5002TD4 ツインペダル | 39,352円 (2017/04/29現在)
値段で選ぶならこれ!PEARL P-930
これもすごい。有名ブランドPearlとだけあって、気持のいい踏み心地なのに、値段は激安。コスパはDWを上回ります。
接面積の大きい平型ビーターを使用しているので、パワフルなサウンドを出すことも可能。
また、カム(チェーンが巻きついているところ)が二種類。踏み心地の軽い偏心カムから、クセの少ない真円カムに変えることができます。
僕もこの偏心カムを使ったことがありますが、一定の音符(ひたすら四分刻みとか)がめちゃめちゃ楽に踏めます。ストレートなフレーズの多い、吹奏楽やロックドラマーに向いているでしょう。
ツインペダルはこちら。こっちも安い。Pearlコスパ最強説。
[rakuten:mikigakki:10013300:detail]
高テクニックの修得に! SONOR SN-PB (ジョジョ・メイヤーモデル)
他のペダルとは一線を画す、異彩を放つこのペダル。ジョジョ・メイヤーの使用しているペダルです。
シンプルさを追求した美しいデザインと、機能の多さ、ロスの無い踏み心地が特徴。
ジョジョ・メイヤーが開発に携わり、ずいぶんと注文をつけたようで...他のペダルではできないことも、このペダルならできる、ということもざらにあります。
パーフェクトバランスという名の通り、欠点らしい欠点がなく、どんなジャンルにも対応できるのも魅力。
ちょっとだけ残念なのが、ツインペダルがないことですね。
まぁジョジョ・メイヤーはツインペダル使っていないし、仕方のないことですが。
どうしても両足使いたいなら、個別で二つ買ってツーバスで使うしかないようです。
SONORの公式動画。和訳ほしい。
まとめ
まえおきでも言いましたが、フットペダルはスティックと同じで、ドラムセットの中でも、ドラマーの肌に近い部分です。
金銭的に余裕があれば、ペダルもビーターもいろんなものを買ってみて試してみるとおもしろいと思います。
こういうところにこだわりが出るので、周りの気になるドラマーが使っているペダルも、ぜひチェックしてみてください。
おしまい。
ドラムロールは絶対にできる!練習方法と修得のコツ
ドラムロールとは何か?
ランキング発表や授賞式の、「それでは第一位の発表です!」の後の、「ドゥルルルルル....」とか「ザァァァァァ....」といった感じのやつ。
これのことですね。盛り上げるというか焦らすというか、そういう役割があります。
ドラムロールの種類
実は、ドラムロールにも種類があります。
①バズロール
②ダブルストロークロール
大きくわけて、この二つ。それぞれ細かく解説していきます。
バズロール
クローズドロールとか、あとプレスロールとかとも呼ばれます。
その名の通り、プレス(押し付け)して細かい音符を叩く奏法。
比較的初心者にも修得しやすいロールです。
やり方
リバウンドを殺さないようにしながら、スネアにスティックを押し付ける。
そうするとスティックが跳ねて、細かい音符を鳴らすことができる。
これを左右に繰り返す。これだけ。
百聞は一見に如かず。動画で見てみましょう。
どーん。他人様の動画をお借りさせていただきました。
理屈がわかれば簡単ですね。
バズロールの練習方法
これはもうねぇ...ひたすら繰り返すしかない、と思います。
意識することは、「繋がって聞こえるように、空白を作らない」ということ。
それと、これはある程度リバウンドがないと出来ないやつなので、たまに聞く「枕で練習するといいよ!」っていうのはあまり意味がないです。
枕練習が効果的なのは、後に説明するもうひとつのロール、ダブルストロークロールのほうですね。
バズロールのコツ
何度も言いますが、これはある程度リバウンドがないと出来ません。
そのリバウンドを殺さないために大事なことが、スティックを強く握らないこと。
動画でもやっているように、人差し指と親指でつまむようにしよう。
そしてもうひとつ。
「スティックを押し付ける」という表現がよく使われます(僕も使いました)が、ぐいって力強く押しあてても、「ザッ」っていうしょぼい音が鳴るだけ。
ハネたスティックを、手や指でそっと押さえてあげるイメージです。
バズロールのステップアップ
動画では「スネア端の方で」と解説されていますが、慣れてくれば真ん中のあたりでもできます。
それができれば、「音量を小さくしたければ端の方」、「大きくしたければ真ん中」というように使い分けられるようになります。
もちろん、「端から真ん中」「真ん中から端」というふうに移動させれば、クレシェンド、デクレシェンドの表現も可能。ここまでこればマスターです。
ダブルストロークロール
オープンロールともよばれる奏法。
片手で連続で「タタッ!」と叩く、ダブルストロークという技を応用させたもの。
均等な音になるのが特徴。バズロールと比べると、少し難しいやり方です。
やり方
こちらも映像で見てみましょう。
最初はゆっくりと叩いていますが、0 : 26あたりから綺麗につながって聞こえます。
これがダブルストロークロールと言われるものです。
打面をスティックで叩いたあと、そのまま腕を振り上げずにもう一打。
腕の動きはふつうの一打のまま、二打叩くということ。
それを左右で繰り返す。これだけで完成です。
バズロールよりも細かくはならないですが、粒の揃ったロールができあがります。
説明おわり。
・・・
「説明不足だろこれ!一打の動きで二打ってどうやんだ!」
そりゃそうだ。怒るのも無理はない。
ちょっと強引に聞こえるかもしれませんが、連続で二打叩ければダブルストロークと言えるわけなので
バズロールみたいに押し付け気味でも、指でスティックを動かしても、もう何でもいいです。
なんというか、どの奏法で始めても、練習を続ければ、けっきょく行き着く先は同じになるんです。
つまり何が言いたいかっていうと、
つべこべ言うな!二打できればダブルじゃぁい!やれば速くなるからやってみろ!!
ってこと。
ダブルストロークロールの練習方法
過去記事参照。
手抜き。なまけものブロガーの鏡。
ダブルストローク修得のコツ
過去記事さんしょ...いや冗談です。
・遅いテンポからじっくりと
最初は本当に遅くていい。どんな阿保でもできるテンポからでいい。
・「もうちょっとで出来そう!」テンポをひたすらやろう
そのうち出来るようになるから。
・練習は毎日
練習パッドがあれば自宅でもできる。時間がない日は一日10分でもいい。
過去記事コピペ
僕の思う最短の上達法はこれです。科学的、心理学的な上達アプローチは無いです。
と、これに加えてもうひとつ。先ほど、
「バズロールみたいに押し付け気味でも、指でスティックを動かしても、もう何でもいい!」
なんて書きました。
誤解してほしくないのは、指でスティックを動かすといっても、「俺は指でダブルストロークするから...!押し付け気味でもできるけどこれは間違った奏法だ...!」なんてことは無いということ。
奏法に正解も間違いもないし、どの奏法にも共通点や、学ぶべき点があります。
ひとつの奏法に固執しないことも、修得の鍵になります。
ダブルストロークのステップアップ
こっちもバズロールと同様、スネアの端と真ん中を使い分けることで、音色の幅を広げることができます。
もうひとつ、ダブルストローク特有のステップアップといえばこれ。
パラディドルというやつ。
これができれば、スティックコントロールが格段に跳ね上がります。
これもスピードアップすることで、ロールっぽくなります。こんな手の込んだロール、実際は使わないですが。
ロールを交えたフィルインができるので、ドラムソロではとても役立ちます。
例えば、パラディドルより更にレベルアップした「パラディドルディドル」というやつがありますが
それを使えばこんなこともできちゃいます。
ロールとはちょっとそれた話になったが、こういうのに挑戦するのも面白いでしょう。
おしまい。
「くるり」メンバー変遷と音楽性の変化まとめ
第1期 1996年2月 - 2001年8月
岸田繁 : Vo. / Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
森信行 : Dr.
<アルバム>
さよならストレンジャー
記念すべき1stアルバム。デビュー曲「東京」のアルバムMixバージョンが収録されています。
図鑑
「青い町」など、激しいギターロック調の曲が多い。岸田曰く「バンドもすごい仲の悪かった時期」らしいです。
TEAM ROCK
この頃から電子音楽を取り入れはじめる。「ワンダーフォーゲル」「ばらの花」「リバー」など、数々の名曲が生まれました。
定番とも言えるストレートなサウンドでデビュー。スリーピースバンドとして活動を開始。
しかし、「TEAM ROCK」あたりから、音楽性が電子音楽の方へ寄っていきます。
この思い切った音楽志向の変化が、名曲を生み出すことに。
第2期 2001年9月 - 2002年7月
岸田繁 : Vo. / Gt.
大村達身 : Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
森信行 : Dr.
<アルバム>
THE WORLD IS MINE
くるり初の、海外でのレコーディングが行われました。ダンスミュージック色の強いくるり人気曲「WORLD'S END SUPERNOVA」など収録。
大村達身が加入し、音の厚みが増していくとともに、音楽性はエレクトロニカからダンスミュージックへ。
ハウス音楽に挑戦した「WORLD'S END SUPERNOVA」でロック界に一世を風靡。
サカナクションのドラマー・江島啓一も、テレビ出演の際に「衝撃を受けた」と語っています。
第3期 2002年7月 - 2003年10月、2004年11月 - 2006年12月
岸田繁 : Vo. / Gt.
大村達身 : Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
<2002年6月 脱退>
森信行 : Dr.
<2004年10月 脱退>
クリストファー・マグワイア : Dr
<アルバム>
NIKKI
クリストファー・マグワイア脱退後のアルバム。「赤い電車」「Superstar」など収録。
岸田は「デビュー当時の自分ならこのアルバムを嫌う」なる意の発言をしていたそう。
音楽性は電子音楽の雰囲気を残しつつ、UKロックをベースとした音楽へ。
「Birthday」「虹色の天使」など、明るい曲も増えてきました。
2002年7月で森が脱退し第3期へと移り、2003年11月にクリスの加入で第4期へ、その後クリスの脱退により、2004年11月再び第3期に戻る。
第4期 2003年11月 - 2004年10月
岸田繁 : Vo. / Gt.
大村達身 : Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
クリストファー・マグワイア : Dr.
<アルバム>
アンテナ
インタビューで岸田は「クリストファーのアルバムやなと思ってて」と述べる。シングルでは打ち込みでやっていたドラムを、クリスが叩き録りなおした「How To Go <Timeless>」収録。
電子音楽の要素が後退し、ロックに回帰。岸田曰く「飽きてしまった」らしい。
くるりの傑作とも呼び声の高い「アンテナ」。ファンの間でも「この編成が一番好き」と言われることがあります。
音楽性は再びロックへ。初期よりも独創性があって、シンプルながら力強いサウンドになりました。
クリストファー脱退後は、再び第3期メンバーに戻ることに。
第5期 2007年1月 - 2011年6月
岸田繁 : Vo. / Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
<脱退>
大村達身 : Gt.
<アルバム>
ワルツを踊れ Tanz Walzer
クラシック音楽の影響が現れているアルバム。映画「天然コケコッコー」の主題歌「言葉はさんかく こころは四角」収録。
魂のゆくえ
ロックをベースに、様々な音楽を取り入れたアルバム。ほぼノーコンセプトで作られたそう。収録曲「愉快なピーナッツ」「太陽のブルース」「さよならリグレット」はCMソングにも起用されました。
言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
パーカッション奏者であるboboをサポートドラマーに起用し、スリーピース構成が曲の中心に。ユーミンとコラボした「シャツを洗えば」や、人気曲「魔法のじゅうたん」収録。
人気メンバーだったクリストファー、大村達身が抜け、オリジナルメンバーである二人だけになります。必要なパートはサポートメンバーで埋めながら収録。
音楽性は更に多様化し、クラシック音楽の要素も取り入れられていきます。
第6期 2011年6月 - 2011年12月
岸田繁 : Vo. / Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
吉田省念 : Gt. / Cho. / Vo. / Vc.
ファンファン : Tp. / Cho. / Vo. / Gy
田中佑司 : Dr
<アルバム>
Wonderful Life(未音源化)
未だ発表されていない。詳しいことは不明。
いっきに三人のメンバーが加入。しかし、この時期発表されたアルバムはひとつも無いです。
Wonderful Lifeも早く音源化してほしいところ。
第7期 2012年2月 - 2013年4月
岸田繁 : Vo. / Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
吉田省念 : Gt. / Cho. / Vo. / Vc.
ファンファン : Tp. / Cho. / Vo. / Gy
<脱退>
田中佑司 : Dr.
<アルバム>
くるりアルバム史上最多曲数、最長時間である全19曲が収録。うち17曲が英語タイトル。また、メンバー全員がメインボーカルを務める楽曲を収録。
琥珀色の街、上海蟹の朝(ミニアルバム)
くるり唯一のミニアルバム。のんびりとした曲が多く、シティポップなどの黒人音楽にも着手。
ここでまさかの田中佑司が脱退。トランペットというまた新しい音を取り入れ、シティポップへの挑戦も始まります。
岸田曰く「ブラックミュージックっぽいことは、今まであえてやってこなかった。避けてきた。」「20周年ということで、一回タガを外した。」のだそう。
第8期 2013年5月 - 現在
岸田繁 : Vo. / Gt.
佐藤征史 : Ba. / Cho. / Vo.
ファンファン : Tp. / Cho. / Vo. / Gy
<脱退>
吉田省念 : Gt. / Cho. / Vo. / Vc.
<アルバム>
THE PIER
「Liberty & Gravity」など、『変だけどいい』と話題になった曲多数。「Remember Me」「Loveless」など、ゆったりした人気曲も収録。
変な曲調が増えてきて、独創性も更に増してきました。ストレートな初期とは真逆で、浮遊感がある曲が多いように感じます。
くるりのその後は...?
メンバーの加入と脱退を繰り返し、「音楽業界のブラック企業」とも言われてしまうくるり...
特にドラマーの入れ替われが激しく、早く安定したドラムメンバーが欲しいところです。
候補としては、よくサポートで入っているあらきゆうこ、クリフ・アーモンドなんかがあり得そうですね。
くるりにはこれからも新しい音楽に挑戦し続けてほしいです。
おしまい。