くるりの元ドラマー「クリストファー・マグワイア」は本当に不思議なドラマーだと思う
2003年11月、くるり加入。
2003年夏、くるりのサポートをしていたクリス。
4thアルバム「THE WORLD IS MINE」の、「GO BACK CHINA」に衝撃を受けて加入を決意したんだとか。
ネット検索してみるも、なかなか情報が見つからないドラマーです。
本当に謎多いというか。くるり以外に在籍していたバンドも、クリスの現在も、情報がいっこうに見つからない。
ただ、決して「下手だから話題にならなかった」わけではありません。ドラムの腕前は超一級です。
岸田も「クリスが入ってからライブの質がぐっと上がった」とどこかのインタビューで答えていました。
自身のドラム演奏に誇りを持ち、「ドラマー」ではなく「ドラムセットプレーヤー」と呼んでいる。
(Wikipediaより引用)
こだわりもちょっと変わっています。こういうところに何故かちょっとした好感を持ってしまう。
打ち込みのような、タイトでクールなドラム
ダンスミュージックの色が強い、くるりの有名曲です。
ほとんどエイトビートでドラムが目立つような曲ではないのに、なぜか「あ、ドラムいいな」って思ってしまいます。
バンド全体の演奏技術もありますが、何よりもクリスの安定したリズムがいい。
タイトで芯のある、シンプルなのにかっこいいビート。
静かな高揚感が癖になります。
ブレの無い刻みができるクリスは、ドラマーの理想形と言ってもいいかもしれない。
そのくせ、燃えたぎる炎のようなドラムもできる
ドラムの基本であるエイトビートを崩しに崩しまくるクリス。素敵です。
クールなドラミングとは対照的に、大きくうねる情熱的なドラミング。力強さとぐにゃりとした柔らかさがあります。
この変わりようが僕にはとても不思議で、だからこそクリスのドラムが大好きなのです。
別人みたいに変わっちゃう。「フレーズが違うから雰囲気も変わるんだ!」って感じが全くない。
フレーズ以外にも何か変えてるんじゃないか?何を変えればこんな風に音が変わるんだ?って。そんな風に思ってしまいます。
ちなみにこの見出しの「燃えたぎる炎のような」ってのは、僕のお気に入りの表現です。
刻みがぐわんぐわん鳴ってて、せわしなく揺れる炎みたいだなぁって、パッと思いついた表現です。我ながらセンスがいい。
在籍中に残した唯一のアルバム「アンテナ」
前作のアルバムに見られたハウスやテクノ、ダンスミュージックも要素は後退し、初期の頃に似たシンプルかつストレートなバンドサウンドが特徴のアルバム。岸田曰く「飽きてしまった」とのこと。
(Wikipediaより引用)
要するにロックンロール。ばりばりのロックンロール。
初期のロックよりも、一風変わった独創的なロック...というイメージがあります。
岸田繁はこのアルバムに対し、『ROCK'IN ON JAPAN』において「クリストファーのアルバムやなと思ってて」という感想を述べた。
それだけクリスの色は強かった。クリスの影響は計り知れない。
だ が し か し
2004年10月、クリストファー脱退。
なんとびっくりわずか11ヵ月。1年も経たずにクリスは辞めてしまうのです。
クリスが参加したアルバムはたったの一枚。本当に惜しい。もうちょっとクリスのドラムを聴きたかった。
脱退の理由は「クリスが日本に馴染めず、ストレスが溜まっていた」という話をどこかで耳にしたような...詳しいことは公表されていません。
岸田と音楽性の食い違いがあったのかもしれないですね。天才が同じバンドに集まるのも考えようです。
「アンテナ」おすすめ曲
花の水鉄砲
ニコニコでしか、それもアニメMADでしか見つかりませんでした。
クリスの多様なドラミングが堪能できる曲です。クールな雰囲気から解放されたような盛り上がり方は鳥肌もの。
盛り上がってもメロディーは変わらない曲の構成が、個人的に大好きです。
韻を踏んだ、遊び心の多い歌詞も相まってかっこいいですね。
ロックンロール
なんてドストレートなタイトル。
レギュラーグリップを使うクリスが見れる貴重な映像です。腕をいっぱいに伸ばして頭上のシンバルを叩く姿は様になりますね。
爽やかな曲調が特徴のこの曲、くるりらしい青春っぽさがお気に入り。
HOW TO GO
MCからクリスのロックンロール愛を感じる...
長いタメと重厚感があるこの曲、クリスのドラムの重厚感がよく表れている曲です。クリスの大きな身体がよく似合っています。
ちなみにこの「Here we go! Rock ’n’ Roll!」というカウント、アルバム「アンテナ」の音源にもちゃんと入っています。
おしまい。
お気に入りドラマーの紹介でした。