アニメ界の鬼才・今敏のおすすめ作品3つ
その愛は狂気にも似ている『千年女優』
<あらすじ>
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。
千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。
「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。
(Wikipediaより引用)
たった1時間半の間に詰め込まれた、カラフルに彩られた大量の画が魅力。
淡々と語られる千代子の半生を、インタビュアーが若い頃の千代子とともに経験する...タイムスリップもののような、そうでないような、不思議な感じです。
個人的には、役になりきることで様々なな人生を歩んできた千代子の、かっこよくて女の子らしい人間性が、見ていて一番楽しいところでした。
(予告編)
YouTubeにもあることはあったんですが、ニコニコの方が画質が高かったので。
夢が犯されていくー『パプリカ』
<あらすじ>
パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。
ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。
敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。
(Wikipediaより引用)
洗練された映像美で描かれる、混沌と狂気。
華やかさと不気味さが見事に共存した、他では見られない雰囲気が特徴です。
今敏の代名詞とも言える、空間が次々と動き出すさまは圧巻。
僕が初めて今敏を知ったのもこの作品。もともと原作を書いている筒井康隆が好きだったので、すぐにハマりました。
序盤の所長が狂いだすシーンや、その後の夢の中でのパレードは鳥肌もの。この作品で一番好きなシーンです。
(予告編)
オープニング。これだけでも今敏作品の完成度の高さがうかがえます。
私の名付け親は3人のホームレスでした『東京ゴッドファーザーズ』
<あらすじ>
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。
クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾う。
赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。
(Wikipediaより引用)
クリスマスの東京で繰り広げられる追走劇。名付け親になったホームレスが子供のために命を張る、異色のアニメ。
三人のホームレスが街中を駆け回る(いい意味で)滑稽な姿が、本当にクセになります。
おもしろおかしいストーリーの先にある、ラストの爽快さと感動は一気見必須。
今敏の中で、僕が一番好きな作品です。
三人のユーモアと家族愛溢れるあたたかさは、家族で見るのもおすすめです。
何よりもラストが印象に残り過ぎて。笑劇のオチは見てからのお楽しみです。
(予告編)